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    2012-01

    組織力の向上


    去年の記事になるが、日本経済新聞の2011年12月30日の経済教室「経済停滞下の企業戦略」は興味深い内容だった。競争力を持続する企業には2つの特徴があるとして、優れた戦略と、それを実行する組織力を上げている。著者は、一橋大学教授の守島基博氏。

    「戦略とは企業が価値創造するための見取り図であり、これがないと経営が行きあたりばったりになり、資源が浪費される」として、まず戦略の重要性を説いている。

    「ただ、どんなに優れた戦略を構築しても、それをきちんと実行する体制が伴わなければ絵に描いた餅である。そのため第二に、戦略を実行し、それを成果に結びつけていく力が必要である」として、次に戦略目標達成のために組織が持つべき力の重要性を説いている。

    そして、日本企業の多くが戦略面で努力を重ね、一定の成果をあげてきたが、組織や人に対しては、同レベルの投資をしてこなかったのではないかと問題提起をしている。組織や人に関わる施策としては、成果主義の導入や雇用のスリム化(非正規社員の活用)、組織のフラット化が進められてきたが、必ずしも組織力の強化にはつながらず、場合によっては、組織力の低下を招いたのではないかと懸念を表明している。

    著者は、組織力の強化のために、次の2点を提言している。
    1.仕事経験を通じた人材能力開発体制の再構築
    2.組織結束力構築への注力

    1については、OFF-JTではなく、学びの多い「良質の経験」が人を育てると説く。ただし、企業経営におけるリスク認識の高まりなどにより、チャレンジしがいのある困難度の高い仕事が、育成過程にある若年層に割り当てられることが少なくなったとの認識を示している。

    2については、理念、ビジョン、価値観などの浸透によって、組織のまとまりや円滑なコミュニケーションを確立していくことへ注力すべきと説く。多様な個人の自律的な貢献を引き出すためにも、理念、ビジョン、価値観の浸透による組織の一体感が必要と言う。

    戦略立案はトップダウンの力、実行する組織力はボトムアップ力。試行錯誤による失敗を許容する組織風土が人を育てる。そして、個人の能力を最大化するためには、共通の理念、ビジョンのもとでの自主性を重んじること。チャレンジングな仕事を経験できることと、仕事を通じた達成感は、人材育成につながるだけでなく、仕事への最大の報酬となり、企業へのロイヤルティ向上にもつながる。

    即効性は期待できないかもしれないが、組織力の向上は、組織の規模に関わらず、経済低迷のもとで、共通に目指すべき方向であると思う。

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