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    2019-08

    「未来」と「将来」はどのように違うのか?


    企業の経営ビジョンや戦略を語る際に、「未来」という言葉を使うことに違和感があるという意見をお聞きしました。「将来」という言葉を使うべきだというご意見です。

    私がもっているマイナー(?)な資格に、日本語教師(日本語教育能力検定)という資格があります。

    ここで私が学んだ、いくつかのことの一つに、言葉について何か考えるときは、「用例で判断する」ということがあります。

    考えてみたら、これは、他の分野では、当たり前に行われていることです。仮説を立てることはあるでしょうが、結論を出す前には必ず、実験してデータを確認したり、事象を確認したり、ということが行われています。

    日本語も同じことのはずなのですが、ネイティブの場合、

    ・自分がもっている言語感覚で、ある程度、判断できてしまう。
    ・言語も他の学問分野と変わらないという感覚がない。

    ことから、つい自分の感覚で判断するということが行われているように思います。

    さて、「未来」と「将来」のお話です。

    2つの用語の違いについては、外国人にどのように説明するかというサイトをいくつか参考にさせていただきました。

    結論としては

    ・「未来」は、現在や過去に対する客観的な時間の概念を表す言葉
    ・「将来」は、特定の主体(人や事物)の今後を表す言葉

    未来と将来

    というのが結論です。その論拠として、いくつかの用例を列挙します。

    【未来】
    〇 現在、過去、未来
    × 現在、過去、将来

    〇 100年後の未来を考えよう。
    × 100年後の将来を考えよう。

    〇 未来の子供たちのために。
    × 将来の子供たちのために。

    〇 タイムマシンで未来から来ました。
    × タイムマシンで将来から来ました。

    【将来】
    〇 私は将来、弁護士になりたい。
    × 私は未来、弁護士になりたい。

    〇 会社の将来が心配だ。
    × 会社の未来が心配だ。

    〇 将来性のある職業
    × 未来性のある職業

    〇 将来、有望な青年
    × 未来、有望な青年

    ・「未来」を、現在や過去に対する客観的な時間の概念を表す言葉
    ・「将来」を、特定の主体(人や事物)の今後を表す言葉

    と定義すると、

    ・「未来」は不確かな感じ。「将来」の方が確実性が高い感じ。
    ・「未来」は遠い感じ。「将来」の方が近い感じ。

    というのも頷けます。特定の主体を想定することで、遠い将来は想定しにくいでしょうし(今、生きている人のほとんどは、100年後には生きていないでしょう)、また、時間軸としてそう遠くはないことから、より確実性が高い印象を受けるのでしょう。

    念のため、日本や人類のような大きな概念を主体として、今後を考える意味の「将来」の用例を以下に列挙します。

    ・2050年の日本将来像
    ・日本経済の将来像
    ・人口、経済社会等の日本の将来像
    ・人類の将来像

    このような場合は、遠い将来も成り立ちますし、より不確実な将来もありうるように思います。

    さて、冒頭の話に戻ります。企業の経営ビジョンや戦略を考える際には、外部環境分析を行います。

    このとき、外部環境を自社のコントロール外のものとして見ると、文脈によっては、「未来」という表現を使うこともありうると考えます。

    起こりうる、不確実な「未来」を検討した上で、自社については、「将来のビジョン」を描くということになるのでしょうね。

    自分としては、用語の整理をすることで、感覚論ではない、「違和感」の正体がわかり、すっきりできました。





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    主語をきちんと?


    5月から梅雨入りまでのこの時期の爽やかさが好きだ。特に好きなのは、地下鉄から地上へと階段を上がるときに、目に飛び込んでくる街路樹の新緑の瑞々しさ。夏の緑色とはぜんぜん違う。

    leaf.jpg


    さて、日本語の話。企画書や提案書、報告書などを書く場合には、相手に伝わる文章を書くことが必要になる。

    文章に関して言われがちなのが、「主語をきちんと書く」ということ。でも主語って何なのだろうか?次の三つの文の主語は何か考えてみてください。
    ・「象は鼻が長い」
    ・「何になさいますか」「紅茶をお願いします」「僕はコーヒー」
    ・「パリは今、夜中の3時です」

    「~は」の部分が必ずしも主語とは言えないことに気づいていただけたでしょうか。

    上記の例文の「~は」の部分を主題と言う。今から「~について話します、述べます」というテーマを提示する部分にあたる。

    (上記例は、企画書などの文例としては適当ではないかもしれないが、「~は」の箇所が必ずしも主語ではないことがわかりやすい文例を選んだ。)

    英語は、主語を必ず必要とするという文法体系をもっている。日本語は、主語を必ずしも必要としない。

    いつ、誰が、何を、どこで、などの具体的な内容が盛り込まれているかを確認しながら、書くように心がけることは、伝わる文章のためのポイントの一つ。でも、英語文法との対比で、「主語をきちんと」と言ってしまうと、かえってわかりにくい場合があるように思う。

    日本語は必ずしも、明確な主語を必要としない文法体系であることを踏まえつつ、その上で必要な情報を過不足なく盛り込み、「伝わる」文章を書くように気をつけていきたい。



    「~ですね」と「~ですよ」の違い、意識していますか?


    人と話していて、相手の人の話し方が気になること、ありませんか。話の内容はいいのに、話し方のせいで、理解や納得が得られないとしたら、残念なことです。今回は接尾辞の「ね」と「よ」の違いを考えます。


    【問題】
    下記の二つの文を読んで、ニュアンスの違いを考えてみてください。

    ・「その髪型、似合ってますね」
    ・「その髪型、似合ってますよ」



    どうですか?違いをはっきり答えられましたか?

    「~ね」は相手が知っていることについて話すときに使います。「~よ」は相手が知らないことを教えてあげるときに使います。

    いいお天気の日に二人の人が出会いました。「いいお天気ですね」と言います。「いいお天気ですよ」は言いません。天気がいいことを相手も知っていることは自明ですから。

    前を歩いている人が財布を落としました。「お財布を落とされましたよ」と声をかけます。「お財布を落とされましたね」と言うと、相手が知っていて、わざと落としたようなニュアンスになりますね。(あるいは、落としたことを本人が知っている事後の会話になります)

    hana.jpg


    では、冒頭の例。髪型が似合っていることを自覚している(であろう)人には、「似合ってますね」と言います。似合っていることに自分で気づいていない(であろう)人には、「似合ってますよ」と言います。

    このケースでは、似合っていると自分自身で思っているかどうかは、実際には不明です。話し手が、知らないだろうと判断すると「~よ」になり、知っているだろうと判断すると「~ね」を選択することになります。「~ね」と「~よ」のどちらを選ぶかには、話し手のそうした無意識の一端が表れています。

    「~よ」をよく使う人には、相手が知らないだろうと思い、「教えてあげる」意識の人が多いようです。単に話し方の癖の場合もあると思いますが、「~よ」を連発すると、相手に「そんなこと知っている」と反発される場合もあります。違いを意識して使いたいですね。


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    プロフィール

    片山 祐姫

    Author:片山 祐姫
    経営革新等支援機関
    (認定支援機関)

    http://www.officeair.net/

    キャッシュフローコーチ®|大阪

    大阪産業創造館の「あきない経営サポーター」として、オンライン相談、面談での相談対応をしています。下記ページからお申込みください。 (相談は無料です)
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